はなまめぶろぐ

昔のエンタメから、今風?のエンタメまで、好き勝手にいろいろ書いてます(*^^*)

今頃ですが。。。「ノクターナル・アニマルズ」鑑賞。

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ジェイクのことを書いているくせに、最近、彼の映画をあまり観に行っていない、
不届きなファンのわたくしですが、この「ノクターナル・アニマルズ」は楽しみにして
観に行って来ました。

それが、かれこれ3週間ほど前でしょうか。

シネマート心斎橋がある、アメ村のビッグステップのクリスマスツリーも、御堂筋の
ライトアップも見られて、とても楽しかったんです。

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で、感想をすぐに書こうと思ったんですが。。。

何だかいろんなことに悶々として、なかなか書けずにいました。

作品としては、とても面白かったんですが、なんというか、よくわからないところが
たくさんありまして。。。

というか、トム・フォード先生があちこちに仕掛けた罠に嵌まったというか、先生が
この作品について、お話していることが全然違うし~、と思ったというか。

まぁ、先生のハイソな芸術感覚に、私がついて行けなかっただけですかねぇ。

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いつもキマっているトム・フォード先生。


この作品をハイソでスタイリッシュな映像で、というのは、すごく簡単なんですが、
な~んか違うぞ、と思わせるところもあって、私はこの作品について書くことが出来な
かったんですねぇ。

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そうしたら、原作が主人公は主婦で、ダンナが医者(だっけかな?)というのを今さら
ながら知って、あぁ、そうか~、トム・フォード先生は、主人公をアート・ギャラリーの
オーナーとして成功している女性に設定を移して、自分の得意分野に持ってきて、
そこで腕を奮ったんだなぁと、少し納得。

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だからアート界の、とてもついていけねーわ、という雰囲気も、なんじゃこりゃ、
のいろんな作品も(実際ご自分のコレクションを主人公スーザンのアート・ギャラリーや、
自宅にも使われていたらしいし)余すことなく、先生の世界を表現していて、観ていて
うひょーっ(゚∀゚)となったんですが、その反面、成功してもなお漂う虚無感もなかなか
尋常ではなく、これって、この世界をすごーく皮肉ってるんだよねぇ。。。と、ぼや~っ
と思っていたら、20年前に別れたダンナから送られて来た小説が、このアートで
スタイリッシュな世界とはかけ離れた砂漠の世界でありまして。。。

でも、トム・フォード先生はテキサス出身の方なので、この砂漠の世界もむかーしは
身近だったはず。

で、小説の世界に映像が入っていき、ジェイク演じるトニーが登場。
まだまだラブラブ(ちとウザい)妻と生意気盛りのティーンエイジャーの娘を連れて、
車で旅行をしているわけです。
あれ、どこに行くとか言ってたかなぁ。。。

「モーテルで泊まるなんて嫌」とか、娘が言ったからかどうかはわからないんですが、
夜、車でハイウェイを走っているトニー。

周りは砂漠であります。
何十キロ走ったら、家があるの?ってなところです。

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こんなところです。

ここ、夜走ります?

怖くない?

銃を持つのは、比較的緩いテキサスだから、護身用に持ってるの?
でないと、こんな夜に、走る?

ねぇ、走る?

私は、アメリカのメキシコに近い州の砂漠というと。。。

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こんなシーンとか、

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こんなシーンしか思い浮かばないので、(どちらも殺されそうになっております)砂漠は
怖いとしか思えない((( ;゚Д゚)))

ドラマの見すぎなのか?

ちなみに、このシーンは大好きな「ブレイキング・バッド」と「ベター・コール・ソール」
であります。
2つとも、テキサスのお隣の州、ニューメキシコが舞台のドラマです。

麻薬カルテル絡み、そして難民の遺体も砂漠には、ゴロゴロしてるらしい。。。

と、スクリーンを観ながら思っていると、ほら、こんな奴らに捕まっちゃったよ。

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「僕はアーロン・テイラー=ジョンソンだよん🎵」

ではなく、「レイくんでーす」

と、散々絡まれて。。。

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トニーパパは、妻子を守ろうと必死で相手を怒らせないように、その場を切り抜けよう
とするけれど。。。

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結局、妻子は連れ去られてしまうのだった。

も~、かなんな~(-_-#)

と、悪党レイとその仲間にムカつくのと同時に、何でこんな弱っちいのに、夜、こんな
砂漠の中を走るわけ?

なんかあったら、逃げるとこないじゃん!

そりゃ、なかなかあんな悪党に抵抗できるわけないのはわかるよ、こんなん無理なく
やっつけちゃうのは、ひと昔前だったら、シュワちゃんとかスタローン、今なら、
ジェイソン・ステイサムさんか、ロック様くらいだよ、トニーパパがやられちゃったのは
しかたないよ、なら、何で夜走るの?

まぁ、昼でも怖かったりするんですが。

と、そこを突っ込んだら、話始まらないし~と、重々わかりながらも、何なんだよ、
危機管理ゼロじゃん!
と、悶々としながら小説の世界を観ていたら。。。

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トニーパパ、とにかく逃げて歩いて歩いて、助けを求めて。。。

マイケル・シャノン演じる刑事さん、ボビー・アンディーズ登場。

どことな~く胡散臭い感じで、最後までぶっちぎりの怪演でありました。

ジェイクやアーロンくんは、いつものように上手いけど、まぁ、フツー、シャノンさんは
一歩上行ってましたね。

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シャノンさん、カウボーイハットが、とってもお似合い。

そして、その話し方!
テキサス訛りなんです~っ!

と嬉しくなってしまったんですが、他の出演者も、なにげにテキサス訛りだそうなん
ですが、英語がわからないんだから、微妙な訛りなんてわかるわけないですわ。

マイケル・シャノンさんの言葉は、すごーく特徴があったので、わかったんですよね(^_^)v
あまり口を開けずに話すところとかね。

そして、マイケル・シャノンさん演じるボビー刑事さんを紹介するのが、この方、

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人の良さそうなグレイブス警部。

あっ!(゜O゜;!
ラリーンパパだ~っ!

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婿いじめの舅さんだっ!
いやん、撮影の時、お久しぶり、とか話したの?

ラリーンパパ、出てくるの一瞬だったんですが、もしかしたら出番バッサリ、カットされ
たのかも。。。

と、また、「あんたの観かた、間違ってるで」と、友人に突っ込まれそうなことを
思いながら、にま~と笑ってしまったのですが、画面の方はどんどん進んでいき。。。

妻子は最悪の結果に。。。

この姿がまたねぇ。。。
芸術作品のように、赤いベッドの上にきれいに全裸で抱き合って置かれているんですよ。

と、思いながら。。。ちょっと待てよ、この美しい遺体の置き方を、あのただの荒くれ
パープーのレイくんたちがしたわけ?

おかしくね?

あんな男らは、こんなことしないし、出来ないだろ~、もしかして、犯人は違う奴なん?

と、真剣に思いはじめ、何か裏があるのかも。。。と思っていたのに、やっぱり犯人は
3バカトリオという。。。

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なんで?結果と、犯人の行動が一致してないやん!
全裸でトイレに座ってたり、誘うように嘲笑いながら挑発してくるレイくんは、何か
底にあるヤツなのね、と思ってたのに、自分がバカにされたらキレるという、浅いただ
のクズ野郎なのでした。

わからんな~と、頭に?マークをのせて観ていて、あ、そうか、この小説シーンに出て
くる男たちって、スーザンの頭の中だから、みんな容姿がいいのね、最初のダンナも
2度目のダンナ(アーミー・ハマーくん)も顔いいもん、そうなんや~、だからレイくん、
顔も身体もきれいなのねぇ。
普通、あのタイプは、だらしないごっつい野郎だと思うし。。。

あの悲劇の妻子の最期の姿も、小説に書いてある描写以上に美しいシーンを思い浮かべ
たのはスーザンなんだわ、と納得したところで。。。

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なんで刑事さんだけ、マイケル・シャノン

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いやいや、それなりに素敵ではありますが、なにげに怖いし。。。

この辺りは、一応、美形はやめたのね、スーザン。

と、思っていたら、小説の最後は結構ハードになっていき。。。

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とは言ってもね。。。
はじめからこういうことになるなら、最初にちゃんと防御体制を考えて、夜走らないとか、
自分がやられても身体を張って、妻子を何としても救うとかね、死ぬ気でやりゃあ
ボビー刑事の前で、声だして叫ぶことも、1年間ずっと後悔し続けることもなかった
のにねぇ。。。

そんな内容の小説を、スーザンは「素晴らしいわ」と、元ダンナのエドワードにメールで
連絡。

えっ?素晴らしいって。。。

どこが?

というレベルのものだと私は思ったんですが。

スーザン、仕事にも疲れ、今のダンナとも冷えきった関係だからなのか、小説家の才能
なし、弱っちい男嫌、ということで棄ててしまった元ダンナになぜか心が動くわけです。

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そして、思い出すんですねぇ。
テキサスでは兄の親友として知っていた元ダンナと、NYで再会した夜のことを。
この時、ディナーを一緒に取った2人。

兄がゲイで、あなたのことが好きだったのよ、という言葉に、知らなかった、彼にすごく
悪いことをした、彼を傷つけたというエドワード。

その優しさに、スーザンは感動してしまうんですね。
兄は、ゲイということで、両親からは勘当されてるみたいで、この辺りは、トム・
フォード先生も、親御さんといろいろあったのかな?とか思ってしまいました。

トム・フォード先生、テキサスでは、カトリックの学校に行っていたとかで、それって、
なかなか辛かったんではないでしょうかねぇ。

このディナーを取っている時の、エイミー・アダムスとジェイクはなかなか若く撮影
されていて、メーキャップ技術の素晴らしさと、役者さんの演技力と、それと何より、
ここから撮ったら、最高にきれいになると思ったトム・フォード先生の眼力の深さに
とにかく感心してしまいます。

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この目、アヒル口、ジェイクのきれいさでグイグイ押していくシーンであります。

結局、エイミー演じるスーザンは、私の部屋に来る?と誘いをかけてくるんですね。

で、映画の最後には、元ダンナと会う約束をするスーザン。

何を期待してるのか。。。

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急に送ってきた、こんな出来の悪い小説に、心動かされるなんて、相当お疲れだわね。

昔、元ダンナを冷たく棄ててしまったのは、たしかに酷いけど、まぁ男女の仲ではあり
うることだし、20年もかけて、この小説書いて送ってきたとしたら、元ダンナ、何
考えてんねん!レベルの男だし。

そうそう、はじめにスーザンが何年か前に、エドワードに電話したら、向こうから切られた
と言っていたシーンがあったと思うんですが、あれって何年前だったかなぁ。

何の用だったの?と、一瞬気になったんですが、それが小説を書き始めるきっかけに
なったんでしょうかねぇ。

にしたって。。。何だかなぁ。。。

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復讐としたら、くだらなさ過ぎ。


映画として観たら、面白かったんですが、1つ1つ取って見ると、突っ込みどころ
いっぱいではあるんですが、1番突っ込んだのは、トム・フォード先生が、この映画は、
忠誠、献身、愛を語っています、と話していたところ。

どこにそんなんあんねん!

みんな反対のことやん!

反対のことを表して、それをいいたかったってことでしょうか。

それって。。。

私には伝わって来ませんでしたわ。

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エドワードを待つスーザン。
あとで、「何やってんだ、私」って、ちゃんと反省してください。


忠誠、献身、愛って、トム・フォード先生が、30年以上、自分のお相手のリチャード・
バックリー氏に対しての態度だとすると、大いに納得なんですけどね。

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トム・フォード先生のことを調べていて、このリチャード・バックリー氏との出会い、
すぐにバックリー氏の癌の闘病生活、そして、エイズが世界的に認知され、偏見と差別と
いう厳しい環境の中で、たくさんの仲間が亡くなっていった時代を過ごしながら、
今に至るまでの出来事は、読んでいて深く感動いたしました。

そのトム・フォード先生が、この作品について、忠誠、献身、愛を語るのは。。。

うーん、やっぱりこの作品、何かあるに違いない。。。


私は、マイケル・シャノン演じるボビー刑事が肺癌で1年もたないから、犯人を殺害
するというのは、エドワードの心情なのかなと、思いましたわ。

エドワードも先が長くない病魔に犯され、そして、あの小説を書き、1番愛した
スーザンに送ったとかね。

トム・フォード先生は、そんなこと考えてないと思いますが、こう考えたら、エドワードと
いう男、まだましかなぁと思うんであります。

それでも、小説の内容は、全然凡庸。

小説の主人公トニー=現実のエドワードなんでしょうけどねぇ。

いつもいまいち踏み込んで行動できない弱い男なんですよねぇ。

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まぁ、それは自分でも自覚はしていて、それを小説に書いたんだとは思うんですが。

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スーザンの母親(ローラ・リニー)が、「彼は弱い」って話していたのは鋭かったん
ですね。

このお母さんの髪型とか派手さ、あのラリーンの感じにも似てるんですが。

10年ほど時代は違うんですが、同じテキサスのお金持ちクラスなんですよね。